なぜ?図鑑 好き嫌いって、わがまま? 第1章/全9章
「おいしい」は、舌だけで作っているの?
舌などで感じる基本味に、鼻で感じる香り、温度や食感などが重なり、脳がまとめて食べ物の風味を感じます。舌は大切な入口ですが、単独の「おいしさ判定機」ではありません。味の名前と、好きかどうかの感想を分けると、説明しやすくなります。
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この記事「おいしい」は、舌だけで作っているの?
まず、ひとつわかろう
いちばん知りたいところから。
舌などで感じる基本味に、鼻で感じる香り、温度や食感などが重なり、脳がまとめて食べ物の風味を感じます。
- 01「甘い」と「おいしい」は、同じ質問への答えではない。
たとえば甘いお菓子でも、「私は甘すぎる」「私はこの甘さが好き」と意見が分かれます。
- 02鼻は、食べる前だけでなく、かんでいる間も働く。
カレーの香りが部屋に広がる時と、口の中で風味を感じる時。
- 03「味は好き。でも、ここが苦手」が言える。
同じスープでも、具が大きい時と、なめらかな時では違う感想になるかもしれません。
好きな料理を一つ選ぶ。
01・まず言葉を分ける「甘い」と「おいしい」は、同じ質問への答えではない。
たとえば甘いお菓子でも、「私は甘すぎる」「私はこの甘さが好き」と意見が分かれます。どちらかが間違っているのかな?
おいしさは、いくつもの手がかりから。
甘い・酸っぱい・しょっぱい・苦い・うま味
食べる前の香りと、かむ時に届く香り
パリッ、ねっとり、冷たい、ヒリヒリ
それぞれの手がかりが脳へ
そこへ経験なども関わり、「私は好き」「ここが苦手」が生まれる。
基本味は、食べ物を感じる手がかり
代表的な基本味は甘味・酸味・塩味・苦味・うま味です。名前が難しければ、甘い・酸っぱい・しょっぱい・苦い・だしのようなうま味、と読もう。一つの料理の中に、複数が重なることもあります。
- 料理を一つの味だけで決めない
- 「強い・弱い」も説明の言葉
- 味見のために調味料だけを口にしない
うま味と「うまい!」は別の言葉
うま味は基本味の名前。「うまい」「おいしい」は、その人が食べ物全体をどう感じたかの感想です。甘くておいしい、酸っぱくておいしいもあります。うま味さえ足せば、誰でもどんな料理でも好きになるわけではありません。
- 基本味と好みを分ける
- 「苦いけれど好き」もありうる
- 同じ感想を家族に要求しない
舌を、味ごとの島に分けない
「先は甘い、奥は苦いだけ」という地図を見たことがあるかもしれません。でも味に反応する細胞は、舌の各所などにあります。先だけで感じる、奥だけで感じるという仕切りではありません。
- 舌の場所当てをしなくてよい
- 味蕾(みらい)は味の細胞の集まり
- 針などで舌をさわる実験はしない
02・香りの二つの入口鼻は、食べる前だけでなく、かんでいる間も働く。
カレーの香りが部屋に広がる時と、口の中で風味を感じる時。同じ鼻につながるけれど、香りの通り道は一つではありません。
食べる前に、鼻から入る香り
台所からただよう香りは、外の空気と一緒に鼻へ入ります。それを手がかりに、「今日のごはんかな?」と予想することがあります。ただし、においだけで食材の種類や安全を確実に当てることはできません。
- 知らない物を近づけて吸い込まない
- 腐っていないかは味見で確かめない
- 材料の確認は表示と調理した大人へ
かむと、口の奥から鼻へ届く香りもある
食べ物から出た香りが、のどの上の方を通って鼻へ届きます。「口の中の味」とまとめて呼んでいる感じの中にも、鼻の仕事があるのです。舌からの基本味と一緒になるから、料理らしい風味になります。
- 食べ物そのものを鼻へ入れるのではない
- 香りの通路を言葉の図で追う
- 鼻をつまんだまま食べる遊びはしない
鼻詰まりの日は、同じ料理も違う感じに
香りが届きにくくなると、いつもの料理が物足りなく感じられることがあります。だからといって「甘さも塩味も必ずゼロ」ではありません。急な変化や長引く違和感は、大人と医療に相談します。
- 濃い味を足し続けて解決しない
- 具合が悪い日は探検を休む
- 薬は自分の判断でやめない
03・口の中は味以外も感じる「味は好き。でも、ここが苦手」が言える。
同じスープでも、具が大きい時と、なめらかな時では違う感想になるかもしれません。味以外の言葉が役立つ場面です。
パリッと、ねっとりは食感
食感は口の中でさわったりかんだりして感じる性質です。「ねばねばが苦手」なら、甘さを足してもその性質は残るかもしれません。逆に、味が気に入っていても食感で止まることがあります。
- 硬さ・粘り・粒を別々に考える
- かめない・むせるは好き嫌いと別に相談
- 飲み込みを早める競争にしない
温度も、食べた時の印象に加わる
冷たい、ぬるい、あたたかいという感じも食事の一部です。好きな温度が違っても不思議ではありません。「熱さを我慢できた」を成長の証拠にはしないで、大人が安全な温度を確かめます。
- 熱湯や凍った物で実験しない
- 冷却のため放置し続けず衛生も守る
- 温度を変えれば全員安全とは限らない
ヒリヒリは、基本味の仲間とは違う
唐辛子の刺激やミントのスーッとする感じは、甘味や塩味とは別の感覚です。大人の食べ物だから挑戦しなきゃ、と強い刺激を試す必要はありません。苦手の理由を一つ増やして説明できれば十分です。
- 辛さ我慢大会はしない
- 辛い物で舌を鍛えない
- 痛い・かゆい時は食べ続けない
今日の一歩好きな料理を、三つの言葉で紹介しよう
料理を用意せず、思い出すだけで参加できます。
- 好きな料理を一つ選ぶ。
- 甘い・酸っぱいなどの味を一つ思い出す。
- 香りか食感の言葉をもう一つ足す。
- 「だから私は好き」と、感想を別に付ける。
食べる実験は不要です。味やにおいの変化が続く、痛い、かゆい時は大人と医療へ相談します。
親子で話す家族にも聞いてみたくなったら。
-
「おいしい」を使わずに説明できる?
子どもパリパリ、香ばしいなどを探す。
おとな子どもの言葉を言い直さず聞く。
-
鼻の仕事は、食べる前だけ?
子ども二つの通り道を指で追う。
おとな食べ物と香りの通路を混同しないよう補う。
-
同じ料理の、違う所が好きだった?
子ども家族と一つ比べる。
おとな違いを結論として残す。
よくある質問もう少し気になったら。
味覚と嗅覚の違いは?
味覚は基本味などの手がかり、嗅覚はにおいの手がかりを受け取る感覚です。食べる時は両方が関わり、食感や温度も一緒になります。
鼻が詰まると味が全部消える?
風味の感じ方は変わりえますが、基本味が全部消えるとは限りません。長引く変化は相談してください。
味の何割が香り?
何を食べ、何を測るかによって違うので、すべての食事へ同じ割合は付けません。味と香りの両方が大切と覚えよう。
苦い物は危険、甘い物は安全?
味だけで安全は判定できません。知らない植物や薬などを味見せず、食品も表示・保管・アレルギーを大人が確認します。
出典この章を書くために読んだ資料。
- Taste Disorders米国国立聴覚・伝達障害研究所(NIDCD) 基本味、味蕾から脳への信号、香り・温度・食感との統合、舌の味覚地図の誤解を確認。味覚障害の家庭向け治療は紹介していません。資料 ↗
- Smell DisordersNIDCD 鼻と口側から届く香り、においの感覚とその変化を確認。鼻をつまんだまま食べる実験や、においによる食品の安全判定は行いません。資料 ↗
- 5 Great Reasons to Cook with Your KidsAAP 調理中の観察、言葉・数の学び、発達に合う安全な役割を確認。この記事の会話・観察カードは編集部の学習例で、治療プログラムではありません。資料 ↗
- 食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意消費者庁 硬い豆・ナッツ類を5歳以下へ与えないこと、丸い食品の形状、食べる姿勢と集中の注意を確認。年齢・かむ力に合う準備は大人が担当します。資料 ↗
資料の読み方について
公的機関・研究機関・専門団体の資料を優先しました。一般向けの学習記事で、専門家の監修は受けていません。個別の診断や指示ではありません。
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いっしょに読むためのヒント。
子どもの言葉を言い直さず聞く。
「おいしい」を使わずに説明できる?
次の一章。
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