なぜ?図鑑 毎日みがくのに、なぜ虫歯? 第2章/全6章
同じ量のおやつなら、いつ食べても同じ?
同じ量でも、少しずつ長く食べ続けると、口の中で酸が作られる機会が何度も来ます。だ液が酸を弱め、ミネラルを戻す時間を取りにくくなるのです。ただし量も大切。「一度ならいくらでもいい」ではなく、成長に必要な食事とおやつを、区切って楽しもう。
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この記事同じ量のおやつなら、いつ食べても同じ?
まず、ひとつわかろう
いちばん知りたいところから。
同じ量でも、少しずつ長く食べ続けると、口の中で酸が作られる機会が何度も来ます。
- 01袋の中身が同じでも、時間割は違う。
Aさんはお皿に分けて食べ、片づけます。
- 02「健康そう」と「歯に長く触れてよい」は別。
水の代わりに一日中飲むのか、食事と一緒に楽しむのか。
- 03禁止より、場面に合う「終わり」を作ろう。
家族で必要な食事や生活時間は違います。
いつ、どこで食べるかを大人と決める。
01・二つの放課後袋の中身が同じでも、時間割は違う。
Aさんはお皿に分けて食べ、片づけます。Bさんは宿題中ずっと袋から少しずつ。同じ「一袋」でも、歯のまわりで起きることは同じでしょうか。
比べる条件:おやつの量は同じと仮定
「一袋」は同じでも、口に来る回数は違う。
- 食べるお皿に出す
- 食べない片づけて遊ぶ
- 食べないだ液が働く
- 食べない次の食事へ
食べ終わりがあり、次々に糖が入る時間を減らせます。
- 一口宿題をしながら
- もう一口袋は机の上
- 甘い一口飲み物もちびちび
- また一口終わりが曖昧
糖が何度も届くと、酸が作られる機会が繰り返されます。
食べる時間と、食べない時間がある
食べ終わったら袋を片づけ、普段の水分補給は水などにする。これなら、食べる楽しみを残しながら、次々に糖が口へ来る状況を減らせます。間隔が何分なら絶対安全、という判定ではありません。
- お皿に分けて量が見えるようにする
- 終わりを決めて、机から片づける
- 空腹を我慢する競争にしない
一口ずつでも、何度も食べ物が来る
飴を長くなめる、グミを少しずつ食べる、甘い飲み物をちびちび飲む。目立つ「おやつ時間」がなくても、糖が口へ来る機会は続きます。歯みがきの回数だけを数えると、この条件を見落とします。
- 飲み物も時間割に入れる
- ゲーム・宿題とセットになっていないか見る
- 本人の意志だけでなく、置き場所も変える
量も回数も、体全体の中で考える
「まとめれば大量でもよい」とは言えません。おやつが多すぎて食事がとれなくなるのも困ります。一方、育ち盛りや運動で補食が必要な場合もあります。必要な栄養を減らすより、食べ方とケアを相談しましょう。
- 一つの食品を悪者にしない
- 補食は家庭・学校・専門家と調整
- 糖尿病など個別の食事指示は優先する
02・飲み物にも場面がある「健康そう」と「歯に長く触れてよい」は別。
水の代わりに一日中飲むのか、食事と一緒に楽しむのか。ラベルと場面の両方を見ると、選び方が変わります。
ジュースや甘い乳飲料も、飲み続けに注意
果汁100%でも、虫歯と無関係ではありません。栄養があることと、糖を含む飲み物を長時間口へ入れてよいことは違います。ストローを使えば絶対大丈夫、寝る前にみがけば帳消し、という考えにも頼りません。
- 水分補給の基本と、お楽しみの飲み物を分ける
- 寝床へ甘い飲み物を持ち込まない
- 飲み終わりを決める
スポーツ飲料:必要な場面と、ふだんを分ける
長い運動や暑さの中では、水分・塩分・エネルギー補給を考える場面があります。歯のために必要な水分を我慢してはいけません。ただ、運動していない時まで甘い飲料をずっと飲み続けるなら、習慣を見直す余地があります。
- 熱中症予防を妨げない
- 病気の時の補水は医療者の指示を優先
- 日常の飲み物を大人と相談する
酸蝕(さんしょく)は、別ルートで歯が溶ける話
虫歯は細菌が作る酸が関わります。一方、飲食物の酸などが繰り返し歯に触れて歯質を失わせるのが酸蝕です。砂糖が少なくても酸性の飲み物では注意が必要なことがあります。果物を全部やめる、という意味ではありません。
- 口の中で飲み物をためたり、ぶくぶくし続けたりしない
- 「砂糖ゼロ」だけで歯への影響を決めない
- しみる・削れたように見える時は相談
03・楽しみを残す工夫禁止より、場面に合う「終わり」を作ろう。
家族で必要な食事や生活時間は違います。次の例をそのまま守るのではなく、自分たちに合う一つを選びます。
宿題の横にお菓子がある日
「食べちゃだめ」と何度も言うより、おやつを食べる場所と宿題の場所を分けてみる。食べたら一緒に皿を下げる。本人だけに我慢を任せず、次の一口が自然に手に入る環境も変えてみよう。
- 袋からではなく、一回分を出す
- 食べ終えたら手を洗って切り替える
- 空腹が続くなら量や食事の時刻を相談
遠足・旅行・お祝いの日
楽しい日にいつも通りにできないこともあります。一日の失敗で全部だめになったとは考えず、歯ブラシを用意し、寝る前のケアを戻します。食べ歩きが長く続くなら、立ち寄る時間をまとめるなど大人も一緒に工夫します。
- 歯みがきを罰にしない
- 一日を虫歯の採点表にしない
- ふだんへ戻せる道具を準備する
三日だけ、時刻と場面をメモする
何グラム食べたかを厳密に測らなくても、「帰宅後」「ゲーム中」「寝る前」のように書くと繰り返す場面が見えます。虫歯の診断をする記録ではありません。困る時間帯を見つけて、歯科へ伝えるための材料です。
- 食事も飲み物も入れる
- 責めるために家族へ見せない
- 一つ変えて、続けやすさを話す
今日の一歩今日のおやつに「おしまい」を作る
おやつを減らす約束ではなく、食べる時間が見える工夫です。
- いつ、どこで食べるかを大人と決める。
- 一回分をお皿やコップに出す。
- 終わったら片づけ、必要な水分は我慢しない。
- 明日もできそうか、困ったことを一つ話す。
成長に必要な食事・補食を抜きません。持病や治療による食事・補水の指示を、この時間割で変更しません。迷う時は医療者へ相談してください。
親子で話す家族にも聞いてみたくなったら。
-
気づかない「一口」はどの時に多い?
子ども宿題、ゲーム、お出かけから探す。
おとな家に置いてある物や声かけを振り返る。
-
好きなおやつを、どう楽しみたい?
子ども好きな味と食べる時間を話す。
おとな禁止ではなく量と区切りを一緒に考える。
-
飲み物の役割はいつも同じ?
子どものどの渇き、運動、お楽しみを分ける。
おとな安全な補水と歯のケアを両立させる。
よくある質問もう少し気になったら。
何時間あければ虫歯にならない?
全員に共通する安全な間隔は示せません。だ液、食べ物、プラークなどで変わります。図は頻度を考える模式図で、正確な酸性度や安全時間を示すものではありません。
水を飲めば歯みがきは不要?
水で流すことと、付着したプラークを取り除くことは別です。水分補給をしても、歯ブラシ・必要な歯間清掃・フッ化物を使うケアの代わりにはなりません。
果物もやめた方がいい?
食品一つを悪者にして、必要な栄養を減らす話ではありません。量や食べ方、飲み方を含めた食生活全体で考えます。ジュースを一日中飲むこととは分けましょう。
虫歯があるから、給食を減らす?
減らす理由にはなりません。食べると痛い・かめないなら、我慢して食事を抜くより早めに歯科へ相談してください。必要な食事をとれるようにすることが大切です。
出典この章を書くために読んだ資料。
- むし歯の特徴・原因・進行厚生労働省・健康日本21アクション支援システム 糖をとる頻度と、脱灰・再石灰化のバランスを確認。記事の時間割は説明用で、個人の酸性度を測った結果ではありません。資料 ↗
- The Tooth Decay Process米国国立歯科・頭蓋顔面研究所(NIDCR) 酸によるミネラルの流出、だ液とフッ化物による回復の助け、初期の変化と穴の違いを確認。資料 ↗
- むし歯と酸蝕歯東京都品川区 細菌が作る酸による虫歯と、飲食物などの酸による酸蝕の違いを確認。資料 ↗
- テーマパーク8020:むし歯日本歯科医師会 プラーク、酸、虫歯ができやすい場所、だ液、初期には痛みがないことを確認。資料 ↗
資料の読み方について
公的機関・研究機関・専門団体の資料を優先しました。一般向けの学習記事で、専門家の監修は受けていません。個別の診断や指示ではありません。
おうちの方へ
いっしょに読むためのヒント。
家に置いてある物や声かけを振り返る。
気づかない「一口」はどの時に多い?
次の一章。
- 1 歯の中と虫歯の仕組みかたい歯に、どうして穴があくの?約10分
- 2 おやつとだ液の時間割同じ量のおやつなら、いつ食べても同じ?約10分
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