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自動販売機は、どうやってお金を見分けて、飲み物を出すの?

こたえ

中では、お金をたしかめる係と、商品を出す係がつながっています。お金を受け取り、選んだ飲み物を一つ出す。小さなお店の仕事が、箱の中につまっているんです。

しくみを、もう少しくわしく

硬貨の特徴を測るセンサーでお金を調べ、まとめ役の制御装置が、選んだ商品を売れるか確かめます。条件がそろうと、その商品の出口の装置を動かし、用意してあった飲み物を一本出します。

お金そのものが飲み物を押しているのではなく、電気の信号で別々の装置が協力しているのです。ここでは、缶やペットボトルの飲み物を売る機械を中心に見ていきます。

読む時間・対象・資料
読む時間 約22分(答えだけなら3分) 対象 小学3年生〜大人 出典 12件

まずは一本を買う流れを、本文と図で。冷温・おつり・補充の疑問は後半にあります。予備知識も、実際の買い物もいりません。

この記事の目次10項目
  1. 01どうやって売る? まずこたえ
  2. 02機械の中の三つの道
  3. 03硬貨を見分け、一本だけ出す
  4. 04冷温・おつり・支える人
  5. 05使いやすさと品ぞろえの設計
  6. 06見分け方や出口の思い込み
  7. 07紙の自販機になってみる
  8. 08親子で話してみよう
  9. 09お札のしくみや困ったとき
  10. 10出典と図の条件

この記事自動販売機は、どうやってお金を見分けて、飲み物を出すの?

まず、ひとつわかろう

いちばん知りたいところから。

自動販売機の中では、代金と売り切れを確かめてから、選んだ飲み物を一本だけ出しているよ。

  1. 01
    たしかめる

    お金が足りるか、飲み物が残っているかを見る。

  2. 02
    えらぶ

    押されたボタンの飲み物を決める。

  3. 03
    一本出す

    ほかの飲み物を止めながら、一本だけ出口へ送る。

やってみよう

紙に「お金・ボタン・飲み物」の3つの絵を描き、矢印でつないでみよう。

はじめに「ガタン」の前に、何が起きている?

お出かけの帰り道。自動販売機に100円玉を二枚入れ、160円の麦茶を選ぶと、下から一本出てきました。「中に店員さんがいないのに、どうして麦茶だと分かったの? おつりも計算したの?」

。ほんの短い買い物ですが、中では、お金を調べる係、注文を伝える係、商品を送り出す係が働いています。値段はお話のための設定。買い物をしなくても、図の中でこの一回を追いかけられます。

商品・お金・信号。三つの道を分けよう。

自販機の中の役割の図。左に飲み物、右に硬貨の装置。上のAボタンから注文、硬貨の装置から金額の信号が、中央の制御装置へ届く。商品の出口と硬貨の出口は別。 A 123
1 商品の道収納した飲み物
→ 商品の出口
2 お金の道硬貨を調べて保管
→ 必要な硬貨を返す
3 信号の道Aは商品を選ぶボタン。点線で金額や注文を伝え、制御装置が指示する。
役割を見渡す模式図で、実物の配置・配線とは違います。受け入れた硬貨が全部おつりへ戻るわけではありません。冷温の仕切りは後の図へ。オムロン・国立科学博物館の資料を参照。

しくみ調べる、確かめる、一本出す。

ここでは、現金で缶・ボトルを買う場面を追います。図は原理をしぼった例で、実機の配置や細かな動作順は違います。

  1. 硬貨は、複数の特徴を組み合わせて見分ける。

    電子式の硬貨識別では、通り道のそばにあるコイルという巻いた電線を使います。電気を流したコイルの周りに硬貨が来ると、電気的な反応が変わります。その違いから、材質や直径、厚さに関する特徴を読み取り、対応する硬貨の基準と比べるのです。「100」の文字を見るだけでも、重さだけを量るだけでもありません。受け入れた硬貨の種類が分かると、100円と100円で200円、という金額の情報にできます。

    硬貨を「特徴の組み合わせ」で読む。

    通路を進む硬貨と、近くのコイル。通過時の電気的な反応を調べるイメージ。コイルの数や配置は説明用。 ¥
    ① 反応を調べるコイルの近くを通るときの、電気的な変化を測る。
    ② 基準と比べる材質・直径・厚さなどの特徴を、対応する硬貨の基準と照らし合わせる。
    ③ 金額として伝える受け入れた硬貨が100円玉なら、100円の情報になる。

    ここで分かるのはお金の情報。商品を選ぶ信号と組み合わせて、次の判断へ進みます。

    「材質・直径・厚さ」って、何を比べるの?

    材質は、どんな金属でできているか。直径は、丸の中心を通って端から反対の端まで測った長さ。厚さは、横から見たときの分厚さです。一つの特徴が似ていても、他の特徴まで同じとは限りません。いくつもの手がかりを合わせて見分けます。

    電子式識別の考え方を簡略化。国立科学博物館の技術資料を参照しました。センサーの実際の数・位置・判定値を示す図ではなく、文字を読むカメラや、硬貨を吸い付ける磁石を描いたものでもありません。
  2. ボタンが送るのは、飲み物ではなく注文の信号。

    麦茶のボタンを押すと、スイッチが「この商品が選ばれた」という電気の信号を送ります。まとめ役の制御装置は、選ばれたボタンと、対応する商品の収納場所を結びつけて扱います。代金や在庫などを確かめ、条件がそろえば、そこから一本出すよう指示します。ボタンと缶が長い棒でつながっているわけではありません。確認の順序や装置間の分担は機種によって違います。

    「麦茶を一本」に、三つの情報を合わせる。

    さっきの麦茶の注文で、まとめ役が扱う条件を見てみよう。お金の計算だけでは、まだ商品は出せません。

    注文:麦茶160円/おつり用の硬貨は10円玉だけ、という学習用の設定です。

    ① 代金は足りる?200円値段は160円。
    代金は足りている。
    ② 商品はある?麦茶 一本注文に対応する収納に、
    出す麦茶が残っている。
    ③ おつりは返せる?10円玉 四枚差は40円。
    ちょうど返せる。
    条件がそろった → 麦茶を出す装置へ指示 この模型では売れます。160円の代金が足り、麦茶もあり、40円を返せます。麦茶を一本渡したら、残りを0本に直します。

    どれか一つだけ変わったら?気になる条件を開いてみよう。

    入れた金額だけ100円に変わったら?

    60円足りません。麦茶とおつりがあっても、この注文では商品を渡せません。ボタンを強く押しても、代金が増えるわけではありません。

    麦茶の残りだけ0本に変わったら?

    代金が足りても、麦茶がありません。お金の情報から、実物の飲み物を作ることはできません。「お金は足りる」と「商品を出せる」は別です。

    おつり用の10円玉だけ0枚になったら?

    この模型では、約束の40円を返せません。代金と商品だけでなく、おつりも確かめる理由です。実機では受付の制限や表示などで対応し、方法や確認の順序は機種によって違います。

    三つの条件にしぼった独自の模型です。実機のプログラムや判定順ではなく、故障検知など全ての条件を表していません。つり銭切れの表示・受付制限も機種によって違います。
  3. 次の一本を止めながら、今の一本を出す。

    缶やボトルを、曲がりくねった通路に並べる「サーペンタイン方式」があります。その出口の装置の一例では、下のストッパーが一番下の商品を支えています。売るときは、上のストッパーが次の商品を止め、その間に下の商品を送り出します。その後、下のストッパーを戻し、次の商品を待機位置へ送ります。「全部を自由に落として、急いで止める」のではなく、残る商品を支える仕掛けがあるのです。

    Aだけを出して、Bを残す三コマ。

    缶を横から見たイメージです。丸いA・Bが商品、横に出る濃い棒がストッパー。残りを支える動きに注目しよう。

    ① 待つ 下の支えがAを止める。Bも、その上で待つ。
    ② 一本を出す 上の支えでBを止め、下を開いてAを出す。
    ③ 次を待たせる 下を閉じてから上を戻すと、Bが次の位置へ。

    「出す」と「残りを止める」をセットにする。これが、まとめて出てしまわないための工夫です。

    もし、この図の上の支えがなかったら?

    Aを出すために下を開くと、Bをその場に残す支えがなくなり、Bも続いて下がってしまいます。だからこの例では、先にBを支え、それからAを出すのです。最後も、下の支えを戻してから上を開くので、Bは次の位置で止まれます。指で三コマをたどるだけで確かめられます。

    国立科学博物館の冊子89ページ「販売装置」を参考に、支える順序だけを新しく図にしました。Aを出す一回の動作で、Bはまだ販売しません。実機の形状・間隔・駆動部品は省略しており、別方式の自販機もあります。
  4. 飲み物の出口と、おつりの出口は別。

    現金で買い、おつりが必要なら、ためてある硬貨から必要な種類と枚数を払い出す装置も働きます。飲み物と硬貨が同じ管を通るわけではありません。架空の麦茶の例なら、200円から160円を引いた40円。入れた100円玉を小さく切るのではなく、返すための10円玉などを使います。日本コンラックスには、払い出すときに硬貨の有無も検知する装置があります。「出すよう命令する」と「実際に硬貨があるか確かめる」も別の仕事です。商品とおつりを出す細かな順序や、検知の仕組みは機種によって違います。

もう少しくわしく冷たい一本の裏に、まだ仕掛けがある。

ここからは、温度、おつり、キャッシュレス、売り切れ、補充する人の順に、身近な疑問を解いていきます。

同じ箱で、どうして冷たい飲み物と温かい飲み物を売れる?

機械の中を仕切って、冷やす場所と温める場所を分けるからです。間には熱を伝わりにくくする断熱の工夫があります。さらに、ヒートポンプを使う機種では、冷やす側から取り出した熱を、温める側へ利用できます。

「冷たさを作って注ぐ」というより、熱を必要な場所へ動かすのです。飲み物は選ばれる前から準備されていて、ボタンを押したあと数秒で常温から冷やすわけではありません。

たとえば冬に冷たい麦茶と温かいお茶が並んでいたら、箱の中が全部同じ温度とは限らない、と想像してみよう。家の冷蔵庫にも冷蔵室と冷凍室がありますね。同じ外箱の中を分けて使う、という発想は身近な所にもあります。

飲み物は別の部屋。熱は再利用できる。

冷やす部屋飲み物から熱を取り出す。
温める部屋飲み物へ熱を渡す。

二つの部屋の間は断熱。
熱が勝手に伝わりにくい仕切りを使う。

ヒートポンプで、熱を運ぶ道

冷やす側の熱

熱を移す装置 + 電気

温める側へ利用

動かすのは熱で、飲み物を混ぜるのではありません。装置を動かす電気も必要です。

冷やす側から温める側へ、どうやって熱を運ぶの?

熱は自然には、温度が高い方から低い方へ移ります。冷たい部屋と温かい部屋を、ただつないでいるわけではありません。ヒートポンプは、冷媒という熱を運ぶ物質の温度を変えながら、熱を受け取ったり渡したりします。

① 冷やす側で受け取る

飲み物の側

それより低温の冷媒

飲み物の側から熱が出ていくので、冷やせます。
② 温める側で渡す

飲み物の側より高温にした冷媒

飲み物の側

冷媒から熱が入ってくるので、温められます。

冷媒の状態を変えて循環させる装置に、電気が必要です。冷たい・温かいという名前だけでなく、熱を渡す相手との温度の差が大切なのです。

ダイキン工業のヒートポンプの基礎説明を参照。装置の全工程や実際の配管を示す図ではありません。自販機や熱い物に触れて試す必要はありません。

全国清涼飲料連合会が紹介する、冷却時の排熱を加温に再利用する仕組みの模式図。実際の配管・温度・熱量を表すものではなく、運転方法は機種や季節によって違います。

おつりが40円なのに、100円分の硬貨では返せないことがある?

あります。「合計でいくら持っているか」と「必要な金額を作れるか」は別だからです。つり銭用に50円玉が二枚だけあっても、40円ぴったりにはできません。一方、10円玉が四枚あれば40円を作れます。

実際の自販機にはつり銭をためる部分があり、足りなくなると、つり銭切れの表示や受け入れるお金の制限などで知らせる場合があります。どの表示で何が買えるかは、その機械の案内を確認します。

たとえばおままごとのお店で、お客さんに40円返す約束をしたら? 50円玉を一枚渡して「だいたい同じ」では困りますね。引き算の答えが合っていても、ちょうどの硬貨を用意するという、もう一つの仕事が残っています。

40円を返せるのは、どちら?

受け入れた金額は200円、商品は160円。おつりは40円です。返すために使える硬貨が、次のどちらかしかないとします。

A:10円玉が四枚 合計 40円
B:50円玉が二枚 合計 100円
答えと、その理由を見る

返せるのはA。10円 × 四枚で40円です。Bは合計100円ありますが、50円玉だけでは40円を作れません。機械も、お金を新しく作ったり硬貨を割ったりはできません。計算だけでなく、必要な種類と枚数を用意することが大切です。

金額・在庫は独自の学習設定。実機がこの順で入金・販売・つり銭切れ判定を行う、という図ではありません。受け付けるお金や購入できる条件は本体の表示で確認します。

カードやスマホだと、硬貨がないのにどうして買える?

現金の代わりに、対応する支払いの仕組みで代金をやり取りするからです。交通系ICカードなどをかざす方法もあれば、コードを使う方法もあります。機械は硬貨の金額だけでなく、決済に関する情報も扱えるのです。

ただし、全ての機械が全てのカードやアプリに対応するわけではありません。商品を先に選ぶなど操作順も違うため、本体のマークと案内に従います。カードをかざす場所は、お金を中へ入れる穴ではありません。

たとえば同じ160円の麦茶を買うと考えよう。200円を現金で払うなら、差の40円を硬貨で返します。対応する電子マネーで160円を支払うなら、その支払いのために自販機へ200円を入れる必要はありません。変わるのは支払いの方法で、麦茶を一本出す仕事は残ります。キャッシュレスでも代金が0円になるわけではありません。

見本があるのに「売り切れ」なのは、なぜ?

前に並ぶ商品見本や写真は、選ぶための案内だからです。実際に販売する飲み物は、奥の収納部分にあります。機械はセンサーや販売数の管理など、機種に応じた仕組みで在庫を扱います。

「外から見える」と「今、出せる一本がある」は別です。同じ飲み物のボタンが複数あっても、奥の収納との対応を外から決めつけることはできません。売り切れをなくすには機械の検知だけでなく、人が補充する仕事も必要になります。

たとえば食堂のメニューにカレーの写真が残っていても、今日のカレーが売り切れることはあります。写真が示すのは「何を売るか」。在庫が示すのは「今いくつ出せるか」です。自販機の前でも、見本と売り切れ表示を別々に読む理由が分かります。

店員さんが立っていないなら、誰も働いていない?

商品の補充、賞味期限や状態の確認、清掃、集金、点検や修理をする人がいます。たとえばダイドードリンコは、販売実績に合わせて補充スタッフの訪問を計画すると説明しています。遠くから在庫情報を確認できる機械もありますが、通信だけで飲み物の本数が増えるわけではありません。

自動になったのは、買う瞬間の仕事の一部。見えない時間に働く人たちが、一回の「ガタン」を支えているのです。

たとえば運動場の近くと、会社の建物の中では、売れる時間や飲み物が違うかもしれません。担当者なら「いつ、何を、何本運ぶ?」を考えます。機械を作る仕事のほかにも、運ぶ・直す・使いやすく設置する仕事がつながっています。

設計のひみつ同じ一本を、もっと使いやすく届ける。

上の段の麦茶を選びたい。でもボタンに手が届かない。そんなとき、「もっと背が高くなればいい」以外の答えはないでしょうか。機械の側を工夫すれば、できることが変わります。

低いボタンでも、上の商品を選べる。

ダイドードリンコが紹介するユニバーサル自販機には、上段のボタンと連動する補助ボタンを、低い位置にも置く工夫があります。前半で読んだ「ボタンが送るのは信号」が、ここで役立ちます。指の力を缶へ直接届けなくてよいので、押す場所と商品の場所を分けて考えられるのです。

押す場所は違っても、注文は同じA。

上のボタンAと、低い補助ボタンA。どちらからも信号が同じ制御装置へ届き、商品Aの収納を選ぶ。どちらか一つを押す場合の関係図。 AA 制御 AA

左:二つのボタン → 中:まとめ役 → 右:同じ商品の収納。
点線は商品の通路ではなく、電気の信号の関係です。

ダイドードリンコの補助ボタンの説明を基に作った模式図。高さ・寸法・実際の配線は表していません。二つ同時に押す操作を勧める図ではありません。

同社には、深くかがまずに取れるよう商品出口を高くする工夫や、コインを入れやすくする受け皿型の投入口もあります。全部をただ低くするのが答えではありません。選ぶ・払う・受け取るのそれぞれで、誰が何に困るかを見ることが、使いやすさにつながります。

考えてみるなら紙に自販機を描いて、背の低い人や、かがむのが難しい人が買う場面を想像してみよう。ボタンを増やすなら、どの商品を選ぶボタンかも分かる表示に。「届く」と「迷わない」の両方を考えます。これは設計の練習で、その配置なら全員に使いやすいと決まるわけではありません。

もう一問:12本入るなら、何を何本入れる?

「たくさん入れれば売り切れない」と思っても、箱の大きさには限りがあります。麦茶を一本増やすと、別の飲み物を入れる場所が一つ減るかもしれません。同じ12本をどう分けるか、二つの案を比べます。

この模型の約束:同じ大きさの容器が12本入ります。比べる期間中は補充せず、希望の商品がなければ別の商品を買わないものとします。価格や利益ではなく、希望の飲み物を渡せた本数を比べます。

同じ12マス、違う品ぞろえ。

麦=麦茶、ジ=ジュース。一マスが一本です。

A案:麦茶を多く

麦茶10本 + ジュース2本

B案:半分ずつ

麦茶6本 + ジュース6本

麦茶をほしい人が多かった日

麦茶を9人、ジュースを3人が一本ずつ希望。どちらの案が多く渡せる?

麦茶が多い日の結果を見る
A案:麦茶を多く:11本渡せる

麦茶9本 + ジュース2本。
残るのは麦茶1本、ジュース0本。

希望に届かないのは、麦茶0人、ジュース1人分。

B案:半分ずつ:9本渡せる

麦茶6本 + ジュース3本。
残るのは麦茶0本、ジュース3本。

希望に届かないのは、麦茶3人、ジュース0人分。

ジュースをほしい人が多かった日

麦茶を4人、ジュースを8人が一本ずつ希望。どちらの案が多く渡せる?

ジュースが多い日の結果を見る
A案:麦茶を多く:6本渡せる

麦茶4本 + ジュース2本。
残るのは麦茶6本、ジュース0本。

希望に届かないのは、麦茶0人、ジュース6人分。

B案:半分ずつ:10本渡せる

麦茶4本 + ジュース6本。
残るのは麦茶2本、ジュース0本。

希望に届かないのは、麦茶0人、ジュース2人分。

全て独自の学習設定。実際の販売データや予測精度ではありません。残った飲み物が、そのまま廃棄されるという意味でもありません。

たくさん売れた案は、日によって入れ替わりました。だから「いつもAが正解」とは決まりません。補充する人は、これまでの売れ方や在庫、賞味期限などを見ながら考えます。ダイドードリンコも販売実績に合わせて訪問を計画すると説明しています。

「昨日は麦茶がよく売れた」は過去の記録。「明日も売れそう」は予想です。今残っている本数が分かっても、未来の注文まで確定するわけではありません。紙の12マスを家族で分け直して、別の日ならどうなるか話してみよう。

よくある勘違いまちがえやすいところを、ほどいておこう。

重くて大きい硬貨ほど、高いお金と判断する?
大きさと金額を単純に順番に並べるのではありません。対応する硬貨の複数の特徴を基準と比べます。機械が受け入れなかっただけで、偽物と決めつけることもできません。対応していない種類や、機械の状態なども関係します。
どの飲み物も、上からガタンと落ちてくる?
方式はいろいろです。富士電機には、商品キャッチャーが品物を保持して取り出し口へ運ぶ機種もあります。形や重さ、容器の扱いやすさに合わせた工夫で、本文のストッパーの図は全自販機の共通設計ではありません。
明かりが消えていたら、もう使えない?
照明だけを消して省エネをしている場合もあります。明かりと販売機能は同じではありません。ただし、本当に停止・故障している場合もあるので、使えると決めつけず、本体の表示を大人と確認します。

やってみる 3分家で「紙の自動販売機」になってみよう。

使うのは紙と鉛筆だけ。次の手順で、判断する係と商品を渡す係を分けます。本物のお金も、自販機での買い物も必要ありません。

  1. 紙に「麦茶160円・残り一本」と書き、別の紙に麦茶の絵を一枚描く。お金は数字だけでよく、小さな部品は使わない。
  2. 一人は注文する係、一人は確かめる係。「100円払ったつもりで麦茶を注文」としたら、何円足りない? 答えは60円。商品はまだ渡さない。
  3. 今度は「200円。返す用の10円は四枚ある」とする。代金・在庫・おつりを確認し、絵を一枚渡す。40円を返したことも紙に書く。
  4. 残りを0本に直して、もう一度同じ注文をする。今度はお金が足りても売れない。どの条件が変わったかを説明して、係を交代しよう。

学習用に条件をしぼった遊びで、実機のプログラムではありません。外で見るなら大人と安全な場所から。機械を揺らす・たたく・登る・分解する、投入口や取り出し口の奥へ手や物を入れることはしません。補充作業や他の人の買い物をじゃませず、買わずに読むだけで大丈夫です。

もう一歩:一本売れたあと、次の人にも売れる?

さっきの紙の遊びを、麦茶が最初に二本ある設定に変えてみよう。売れるかを、毎回同じ条件で考えてよいでしょうか。

この模型の約束:値段は160円。おつりは用意した10円玉からだけ返し、受け取った代金は別の箱へ入れて、おつりに回しません。途中の補充はなし。売れない注文のお金は受け取りません。これは紙の遊びの約束で、実機のお金の流し方や受付順とは違います。

一本売ると、残りの条件も変わる。

最初の人が100円玉二枚で買い、麦茶一本と40円のおつりを受け取ったら?

① 最初に用意したもの

麦茶 2本

おつり用の10円玉 4枚

② 一本売ったあと

麦茶 1本

おつり用の10円玉 0枚

独自の学習設定。①から②へ、一回売った前後を比べています。下の二問は、どちらも②の状態から別々に始めます。

麦茶はまだ一本あります。では、次の二つの注文はどうなる? まず、理由を一言考えてから開いてみよう。

次の人も200円なら?

この模型では売れません。麦茶は一本あっても、返すための10円玉は0枚。最初の人から受け取った100円玉二枚では、40円ぴったりを作れません。

注文を比べたあとの模型:麦茶1本/おつり用の10円玉0枚。実際の機械で何が買えるかは、本体の表示に従います。

次の人が160円ちょうどなら?

この模型では売れます。おつりは0円でよく、麦茶も一本あるからです。渡すと麦茶は0本に。さらに次の人には、お金があっても売れません。

注文を比べたあとの模型:麦茶0本/おつり用の10円玉0枚。実際の機械で何が買えるかは、本体の表示に従います。

「さっき売れたから、次も売れる」とは限らない。売ったあとに変わった本数やおつりを見直すことまでが、自動で売り続けるための仕事です。

実際の自販機でおつり切れを作る実験はしません。紙に描いた飲み物と数字だけで楽しめます。正解の数を競わず、家族と「どこが変わった?」を話してみよう。

親子で話す帰り道に、こんな話をしてみよう。

全部を覚えなくて大丈夫。「へえ!」と思ったところを一つ選んで、家族に図を見せながら話してみよう。大人も、自分がどう想像していたかを話すと面白くなります。

  • ボタンを押した力は、缶まで直接届いていると思っていた?

    子ども指の力、電気の信号、商品を動かす装置を、三つに分けて説明してみる。

    おとなエレベーターの呼び出しボタンなど、「力で直接動かすのではなく、指示を出す」身近な物を一緒に探す。

  • 40円のおつりを返すなら、何を用意する?

    子ども50円玉二枚と10円玉四枚を、紙に描いて比べる。持っている合計が多い方で、返せるとは限らない。

    おとな答えの引き算だけでなく、実物の条件を考えた所を面白がる。「計算ができる」と「仕事を完了できる」の違いを話す。

  • 自分が作るなら、誰が使いやすい自販機にしたい?

    子ども背が低い人、重い物を持てない人、文字が見えにくい人。誰か一人を想像して、ボタンや出口の場所を描く。

    おとな「便利そう」で終わらず、手が届くか、文字だけ・色だけに頼っていないかも考える。実機に登ったり改造したりせず、紙の上で工夫する。

よくある質問もう少し気になったら。

本物のお金なら、どの硬貨でも使える?

いいえ。お金として正しいことと、その機械が対応していることは別です。識別するだけでなく、通路を通す、収納する、おつりとして出す、といった装置の対応も関係します。日本コンラックスには5円玉に対応する機種もありますが、それが全ての飲料自販機で5円玉を使えるという意味ではありません。投入口の表示を大人と確認し、使えるかを試すために何度も投入することはしません。

お札はどうやって見分けるの?

硬貨とは別の紙幣識別装置で、お札を運びながら特徴を読み、対応する紙幣の基準と比べます。たとえば日本コンラックスのNBX-R600シリーズは、光と磁気の二つの方式を組み合わせます。目で見える数字を読むだけとは限りません。「いくつもの手がかりを合わせる」点は硬貨と共通ですが、調べる装置は別です。方式や使えるお札は機種によって違います。濡れたお札などは詰まりの原因にもなるため、表示を大人と確認し、使えるかを何度も試すことはしません。

機械の中の飲み物は、全部同じように冷やすの?

機種によります。次に売れる分を中心に冷やす・温める「部分冷却・加温」という省エネの仕組みもあります。必要な量は売れ行きなどに応じて調整します。「買う前から準備する」と「全部をずっと同じ強さで冷やす」は、同じではありません。

熱を再利用するなら、電気はいらない?

電気は必要です。ヒートポンプで熱を移す装置を動かすほか、制御や販売にも電気を使います。熱を上手に再利用するのは、電気を使わずに無限に冷やしたり温めたりできる、という意味ではありません。

お金を入れたのに、飲み物が出ないときは?

追加でお金を入れず、大人へ伝えます。揺らしたり、奥へ手や道具を入れたりせず、本体に書かれた管理先へ大人と連絡してください。場所・日時・商品・金額・管理番号が分かると状況を伝えやすくなります。ダイドードリンコは、決済音が鳴っても決済不成立の場合があると案内しています。キャッシュレスなら履歴も確認しますが、その場で二度払いせず相談します。返金の扱いは状況によって異なります。

コーヒーを紙コップに注ぐ自販機も同じ仕組み?

お金や注文の確認には共通する考え方がありますが、飲み物を届ける部分は違います。この記事は出来上がった缶・ボトルを取り出す機械が中心。紙コップ式には、カップを用意し、飲み物を注ぐための別の装置が必要です。

出典この記事を書くために読んだ資料。

  • 飲料自動販売機技術発展の系統化調査(樋口義弘、2007年)国立科学博物館 冊子89ページの販売装置、100〜102ページの硬貨識別、つり銭の仕組みを参照。技術史資料であり、当時の普及台数や仕様を現在の全機種のものとして扱っていません。図は原理をしぼって新しく描いた模式図です。
    資料 ↗
  • 街なかの自動販売機でも活躍するオムロンの技術オムロン 選択ボタンの電気的なスイッチ、ヒーターやコンプレッサーへの通電を制御する部品、在庫情報の遠隔確認を参照。全機種が同じ部品や通信機能を使うという説明ではありません。
    資料 ↗
  • 缶・ボトル飲料自動販売機富士電機 缶・ボトル飲料にサーペンタイン方式等が使われる製品例を確認。容量や搬出方式は機種ごとに違い、本文の簡略図は製品の設計図ではありません。
    資料 ↗
  • より使いやすさを追求した自販機富士電機 商品キャッチャーで商品を保持し、取り出し口へ運ぶ製品例を参照。「自販機は必ず上から商品を落とす」という一般化を避けるための例です。
    資料 ↗
  • 自販機の主な省エネ技術全国清涼飲料連合会 冷却時の排熱を加温へ再利用するヒートポンプ、部分冷却・加温、断熱、照明制御を参照。すべての機械が同じ運転をするわけではなく、電力削減率や温度の実測値は掲載していません。
    資料 ↗
  • 設置Q&A:補充・管理についてダイドードリンコ 販売実績に合わせた補充の訪問、在庫・賞味期限の確認、周辺美化を参照。運営元の具体例で、全国の自販機の訪問頻度や契約条件を示すものではありません。
    資料 ↗
  • 自動販売機のキャッシュレス決済ダイドードリンコ 対応した支払い方法を選び、商品選択と決済を行う流れを確認。支払い方式や操作順は機種によって異なるため、本体の案内に従う説明にしています。
    資料 ↗
  • お札詰まりなど、自販機の不具合があった場合はどこへ連絡したらよいですか?ダイドードリンコ 本体の管理先への連絡、機械の管理番号・設置場所の確認、決済音がしても不成立の場合があることを参照。返金を保証せず、子どもが機械を揺らしたり分解したりしない案内を加えています。
    資料 ↗
  • 硬貨選別機 CLX-G400シリーズ日本コンラックス 硬貨の選別・収納・払出、つり銭と払出時の硬貨の検知、5円対応機という製品例を確認。対応硬貨や検知機能は機種によって違います。性能・普及率を全自販機へ広げず、本文の金額と条件の図は独自の学習設定にしています。
    資料 ↗
  • ユニバーサル自販機とは、どのような自販機ですか?ダイドードリンコ 上段の選択ボタンに連動する低い補助ボタン、受け皿型のコイン投入口、高い商品取り出し口の例を確認。図は商品選択の関係だけを表し、実寸や全機種共通の配置ではありません。特定の高さなら全員に使いやすいという保証ではありません。
    資料 ↗
  • ヒートポンプは熱をどう運ぶ?ダイキン工業 温度差による熱の移動と、冷媒が熱を受け取り・運び・放出する基礎を参照。自販機固有の配管や製品仕様の資料ではなく、冷却・加温の図を理解するための一般原理として使っています。
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  • 紙幣識別機 NBX-R600シリーズ日本コンラックス 紙幣を運ぶ機構と、光方式・磁気方式を組み合わせた識別の製品例を確認。硬貨とお札では調べる装置が違う説明に使い、全機種の方式や対応紙幣へ一般化していません。読み取り位置・判定値・認証を回避する方法は扱いません。
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資料の読み方について

国立科学博物館の技術史資料、機器メーカーと飲料事業者・業界団体の公開説明を参照しました。古い資料の仕様や普及台数を現在の全機種へ一般化していません。図は独自の説明用模式図で、価格・つり銭・品ぞろえの数は学習用の架空設定です。機械を分解・実験する手順や、メーカーによる監修・推奨を示すものではありません。

おうちの方へ

いっしょに読むためのヒント。

エレベーターの呼び出しボタンなど、「力で直接動かすのではなく、指示を出す」身近な物を一緒に探す。 答えの引き算だけでなく、実物の条件を考えた所を面白がる。「計算ができる」と「仕事を完了できる」の違いを話す。

親子で話すなら

ボタンを押した力は、缶まで直接届いていると思っていた?

次に読む。

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ここまで読んでくれて、ありがとう。

きょう、持ち帰るなら

心に残ったところを、ひとつ。

ひとことで言うと

お金・注文・在庫などの情報を確かめ、別々の装置が協力して飲み物とおつりを出します。

家族と話すなら

「どうして全部の缶が落ちない?」を、AとBの三コマで説明してみる。

やってみるなら

紙の自販機で、代金が足りるときと売り切れのときの違いを考えよう。

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