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冷蔵庫は、どうして中だけ冷たいの?

こたえ

冷蔵庫は、箱の中の熱を外へ運び出しているから冷たいのです。熱を運ぶのは、管の中をめぐる「冷媒」。電気で動く圧縮機がその流れを支え、外側で熱を逃がします。厚い壁と閉まる扉は、部屋の熱が戻ってくるのを遅くします。

読む時間・対象・資料
読む時間 約9分 対象 小学3年生〜大人 出典 5件

最初に「中の熱が外へ出る」図を見てから、本文へ。側面が温かい理由や扉の話は後半で読めます。

この記事の目次9項目
  1. 01こたえ
  2. 02はじめに
  3. 03しくみ
  4. 04もう少しくわしく
  5. 05よくある勘違い
  6. 06やってみる
  7. 07親子で話す
  8. 08よくある質問
  9. 09出典

この記事冷蔵庫は、どうして中だけ冷たいの?

まず、ひとつわかろう

いちばん知りたいところから。

冷蔵庫は、中の熱を外へ運ぶから冷たいよ。運び役は、管の中をぐるぐる回る「冷媒」。扉と厚い壁は、部屋の熱が入るのを少なくするんだ。

冷蔵庫の中の熱は、どこへ行く?

熱は「中 → はこぶ役 → 外」へ。ゆびで矢印をたどってみよう。

  1. 01
    熱を受け取る

    中の熱が、管の中の冷媒へ移る。

  2. 02
    外へ運ぶ

    冷媒がめぐり、冷蔵庫の外へ熱を出す。

  3. 03
    中を守る

    扉と壁が、部屋の熱を入りにくくする。

やってみよう

紙に「冷蔵庫の中→外」の矢印を描いて、熱の行き先を家族に見せてみよう。

はじめに牛乳は冷たいのに、冷蔵庫の横は温かい。

朝、牛乳を取り出すと、ひんやりしています。ところが、冷蔵庫の横が温かいこともあります。同じ箱なのに、内側と外側でどうして違うのでしょう。冷蔵庫の中に「冷たさ」がたまっていると考えるより、熱がどこへ行ったかを追うと分かります。

冷蔵庫の中の熱は、どこへ行く?

熱は「中 → 冷媒 → 外」へ移ります。冷媒は管の中を循環します。図は熱の行き先を表す模式図で、実際の配管の形ではありません。

しくみ熱が外へ出るまで。

ここでは家庭用の圧縮式冷蔵庫を例にします。部品の位置や冷たい空気の送り方は、製品ごとに違います。

  1. 壁と扉が、外から入る熱を減らす。

    冷蔵庫の壁には熱を通しにくい材料が使われています。扉が閉まると、温かい部屋の空気も入りにくくなります。ただし、壁だけでは中を冷やせません。扉を開けたり食品を入れたりすると熱が入り、その分を外へ運ぶ仕事が必要です。

  2. 冷媒が、中の熱を受け取る。

    冷媒(れいばい)は、管の中をめぐって熱を運ぶ物質です。冷却する部分では、冷媒が庫内の空気から熱を受け取ります。熱を失った空気が食品の周りへ広がり、中が冷えていきます。冷却部分の置き方や風の送り方は機種によって違います。

  3. 圧縮機を通り、熱を部屋へ逃がす。

    電気で動く圧縮機は、熱を受け取った冷媒を高い圧力にします。温度が上がった冷媒は、庫内の外側にある放熱部分を通り、周りの空気へ熱を渡します。放熱する場所は背面とは限らず、側面や前面にある機種もあります。

  4. 圧力を下げて、また熱を受け取りに行く。

    冷媒は細い通路などを通って圧力が下がり、再び庫内の熱を受け取りやすい状態になります。こうして同じ道を何度もめぐります。冷蔵庫は熱を消しているのではありません。電気を使い、中から外へ移し続けています。

もう少しくわしく冷蔵庫を見て、気づくこと。

横や前が温かいのは、故障なの?

温かいだけなら、放熱しているためのことがあります。パナソニックの冷蔵庫にも、前面や側面から熱を逃がす機種があります。置き始め、暑い日、扉を何度も開けた後は、冷やす仕事が増えて外側がより温かくなる場合があります。

ただし、いつもと違うにおい、エラー表示、冷えないなどがあれば、子どもだけで触ったり調べたりせず、大人に伝えて取扱説明書を確認してください。

たとえば外へ熱を出している場所は、機種ごとに違います。「冷蔵庫の裏だけが熱い」と決めず、温かさを確かめるために狭いすき間へ手を入れないでください。

扉を開けっぱなしにすると、どうなる?

部屋の温かい空気が入り、庫内の空気と食品が温まります。冷蔵庫は入ってきた熱も外へ運ぶため、冷やす仕事が増えます。扉が閉まっていれば壁とパッキンが熱の出入りを抑えますが、開いたままではその守りが弱くなります。

食品を探す前に何を取るか決めておくと、扉を開ける時間を短くできます。

たとえば家族で買ってきた物をしまうとき、扉を開ける前に置き場所を話してみよう。「早く閉めなさい」と言うより、熱の通り道を一緒に考えられます。

冷凍室は、どうしてもっと冷たい?

冷蔵室と冷凍室は、温度を別々の目的に合わせて保つ場所です。冷やす部分と風の通り道、温度の調整方法は製品によって異なります。冷凍室の冷たい空気を冷蔵室へ送る機種もあれば、別々に冷やす機種もあります。

「冷蔵庫の中は全部同じ温度」とは限りません。食品をどこへ置くかは、家の製品の表示と保存方法を大人と確認しましょう。

たとえば冷蔵室で冷やす牛乳と、冷凍室で凍らせる氷。置き場所の違いを見つけたら、どこから冷たい空気が来るのかを図で予想してみよう。実機の中を分解して確かめる必要はありません。

冷蔵庫は、いつも同じ強さで動いている?

そうとは限りません。庫内の温度や扉の開閉などに合わせ、圧縮機を動かす時間や回転数を調整する機種があります。静かになったからといって、ただちに故障とはいえません。一方、長く冷えない、警告が出るなどのときは、運転音だけで判断せず大人に伝えましょう。

たとえば家族が「さっきより音が小さいね」と気づいたら、機械にも休む時間や力を変える時間がある、と話してみよう。音を聞くために後ろへ入り込んだり、コンセントを抜き差ししたりはしません。

よくある勘違いまちがえやすいところを、ほどいておこう。

冷蔵庫は「冷たさ」を作っている?
中から熱を取り出し、外へ運んでいます。冷たく感じるのは、庫内の熱が少なくなった結果です。熱を運ぶには電気が必要で、何も使わずに冷え続けるわけではありません。
扉を開ければ、部屋を冷やせる?
閉めきった部屋では、庫内から取り出した熱と、圧縮機を動かした電気による熱が部屋へ出ます。冷蔵庫を開けたままにしても、部屋全体を冷やす道具にはなりません。食品も温まりやすくなるので、試さないでください。
冷媒は、食品にかかって冷やしている?
通常の圧縮式冷蔵庫では、冷媒は閉じた管の中をめぐります。食品に直接吹きかけているわけではありません。異臭や破損などに気づいたら、確かめようとせず大人に伝えてください。

やってみる 3分紙に「熱の行き先」を描こう。

紙と鉛筆だけでできます。冷蔵庫を開けっぱなしにしたり、裏側をのぞいたりする必要はありません。

  1. 紙の左に「冷蔵庫の中」、右に「部屋」を描き、間に壁と扉を描きます。
  2. 中から外へ向かう矢印に「熱」と書き、運ぶ役の「冷媒」を矢印のそばに書きます。
  3. 扉が開いた絵も描きます。今度は部屋から中へ向かう熱の矢印を足し、どうして冷やす仕事が増えるか話してみましょう。

実機の側面や背面は熱いことがあります。手を入れて確かめたり、コードや部品を触ったりしません。食品の保存や故障の判断は大人が取扱説明書で確認してください。

親子で話す家族にも聞いてみたくなったら。

  • 冷たい牛乳から出た熱は、どこへ行った?

    子ども図の「中→冷媒→外」の矢印を指でたどって説明する。

    おとな側面や前面が温かくなる機種もある、と話す。実物に触れて調べる必要はない。

  • 扉を開ける前に、できる工夫は?

    子ども取りたい物と置き場所を先に決める。

    おとな節電だけでなく、食品を冷たく保つためにも扉を閉める理由を一緒に考える。

  • 冷蔵庫と、夏のエアコンは何が似ている?

    子ども「熱を受け取る場所」と「熱を出す場所」を、それぞれ探す。

    おとな冷蔵庫は部屋へ、冷房中のエアコンは屋外へ熱を出す違いを話す。

よくある質問もう少し気になったら。

停電しても、すぐには温かくならない?

壁と閉まった扉が熱の出入りを遅くするので、電気が止まった瞬間に庫内が部屋と同じ温度になるわけではありません。ただし冷却は止まり、少しずつ温まります。停電時の食品を食べてよいかは、時間だけで子どもが判断せず、大人が公的な食品安全情報を確認してください。

冷蔵庫とエアコンは、同じ仕組み?

冷媒で熱を移すという基本は似ています。冷蔵庫は小さな箱の中から部屋へ、冷房中のエアコンは部屋から屋外へ熱を運びます。使う場所、部品、運転方法は違います。

熱を外へ出すなら、冷蔵庫の周りをふさいでもいい?

いいえ。熱を逃がしにくいと、冷えにくくなったり電気を多く使ったりする場合があります。必要なすき間は機種で違うので、家具を動かすのは大人と一緒に取扱説明書を確認してからにしてください。

出典この記事を書くために読んだ資料。

  • Technical Support Document: Refrigerators and Refrigerator-Freezers, section 3.3.2.5米国エネルギー省 家庭用の圧縮式冷却について、圧縮機、放熱する部分、細い通路、庫内で熱を受け取る部分の役割を確認しました。部品の位置や送風方法は機種で異なります。
    資料 ↗
  • ヒートポンプとは?仕組みや構造をわかりやすく解説パナソニック 冷媒が熱を受け取り、圧縮、放熱、減圧を経て循環する原理を確認しました。記事の図は家庭用冷蔵庫を説明する独自の模式図です。
    資料 ↗
  • 冷蔵庫の側面が熱いパナソニック 機種によって前面や側面などから放熱し、設置直後や扉の開閉が多いと温かくなりやすいことを確認しました。背面だけが温かいとは書いていません。
    資料 ↗
  • 省エネのポイント 機能編日本電機工業会 断熱材が外からの熱の侵入を減らすことと、圧縮機の運転を必要に応じて調整する機種があることを確認しました。
    資料 ↗
  • 冷蔵庫の省エネになる使い方パナソニック 扉を開けると庫内温度が上がることと、放熱しやすい設置が冷え方に関係することを確認しました。
    資料 ↗
資料の読み方について

メーカー、業界団体、米国エネルギー省の公開資料を参照しました。図は熱の行き先を示す独自の模式図で、実機の配管、部品配置、修理方法ではありません。特定の機種の性能や食品の保存期間を保証するものでもありません。

おうちの方へ

いっしょに読むためのヒント。

側面や前面が温かくなる機種もある、と話す。実物に触れて調べる必要はない。 節電だけでなく、食品を冷たく保つためにも扉を閉める理由を一緒に考える。

親子で話すなら

冷たい牛乳から出た熱は、どこへ行った?

次に読む。

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ここまで読んでくれて、ありがとう。

きょう、持ち帰るなら

心に残ったところを、ひとつ。

ひとことで言うと

冷媒が庫内の熱を受け取り、外へ運びます。壁と扉は、部屋の熱が入り込むのを遅くします。

家族と話すなら

「冷たい牛乳から出た熱はどこへ行った?」を、図の矢印を指しながら話す。

やってみるなら

紙に冷蔵庫の中と部屋を描き、熱が出ていく道と入ってくる道を別の矢印で描く。

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