しごと図鑑 夢への道
消防士になるには?
消防士は市町村などの地方公務員です。働きたい地域の消防本部・自治体の採用試験を受け、採用後は消防学校で約6か月の初任教育を受けてから消防署などへ配属されます。
読む時間・対象・資料
公務員採用・訓練型。4つの進路を同じ物差しで並べています。今すぐ決めるためではなく、選べる道の数を知るために読んでください。
この記事消防士になるには?
まず、ひとつわかろう
いちばん知りたいところから。
「大卒程度」「高卒程度」は試験の区分を表す場合もあります。卒業資格そのものが必要か、年齢、運転免許、視力などを募集要項で一つずつ確認します。
- 01高校卒業・高卒程度区分から受ける例
高校卒業者や卒業見込みの人が受けられる区分を設ける消防本部があります。区分名と年齢条件は地域で異なります。
- 02短大・専門学校などを経て受ける例
短大・専門学校で学んだ後に受験する道があります。救急救命士の養成課程を選ぶ人もいますが、一般の消防士採用で必須とは限りません。
- 03大学・大卒程度区分から受ける例
学部を消防や防災だけに限定しない採用もあります。大学で学んだ専門を予防、救急、通信、行政などに生かせます。
家や学校の非常口、消火器、AEDを大人と三つ探す。
まず数字で見る「何人に1人なれる?」の全国共通数字はない。
消防士は全国一括採用ではなく、各消防本部・自治体が募集します。そのため、全国の子どもや受験者から消防士になる一つの倍率は作れません。ここでは消防を支える組織の規模を見ます。
- 720本部全国の消防本部令和6年4月1日現在。地域ごとに採用情報と受験条件が異なります。
- 1,716署全国の消防署消防本部の下で、24時間地域の災害に備える拠点です。
- 168,898人全国の消防職員令和6年4月1日現在。消防吏員以外の職員も含む人数です。
ここから分かること消防士を目指すときは、全国倍率ではなく、受けたい消防本部の募集人数・受験者数・合格者数を同じ年度で確認します。
720本部の数字を一つに足しても、子どもが将来採用される確率にはなりません。募集のない年もあり、併願の扱い、試験区分、採用予定、合格後の辞退なども地域で違います。
- 消防士は地方公務員消防庁という国の役所へ一括応募するのではなく、消防本部や自治体の採用情報を探します。
- 消防本部サーチで探せる総務省消防庁のページでは、都道府県別に消防本部と採用予定を確認できます。
- 性別に関係なく目指せる令和6年4月1日現在、全国の女性消防吏員は6,124人。採用条件は性別ではなく各本部の要項で確認します。
進み方受けるのは「全国共通の消防士試験」ではない。
消防士は、それぞれの消防本部や自治体が採用します。年齢、学歴区分、試験、身体・体力検査、免許の条件は、受ける地域の最新案内で確認します。
- 高校卒業・高卒程度区分から受ける例
高校で学ぶ → 地域の受験資格を確認 → 筆記・体力・面接など → 採用・消防学校
ここが分かれ目:高校卒業者や卒業見込みの人が受けられる区分を設ける消防本部があります。区分名と年齢条件は地域で異なります。
回り道からの戻り方:「高卒程度」は試験問題の程度を示すだけの場合もあります。卒業要件と生年月日の範囲を公式案内で確認します。
- 短大・専門学校などを経て受ける例
短大・専門学校など → 学歴・年齢区分を確認 → 採用試験 → 採用・消防学校
ここが分かれ目:短大・専門学校で学んだ後に受験する道があります。救急救命士の養成課程を選ぶ人もいますが、一般の消防士採用で必須とは限りません。
回り道からの戻り方:救急救命士枠と一般区分は別の場合があります。取れる資格、国家試験、消防本部の募集区分を分けて調べます。
- 大学・大卒程度区分から受ける例
大学で学ぶ → 大卒程度などの区分 → 筆記・論文・面接・体力など → 採用・消防学校
ここが分かれ目:学部を消防や防災だけに限定しない採用もあります。大学で学んだ専門を予防、救急、通信、行政などに生かせます。
回り道からの戻り方:大卒程度区分でも年齢や卒業資格の条件は消防本部ごとに違います。科目と日程を早めに確認します。
- 別の仕事・別の地域から受ける例
仕事や資格の経験 → 社会人・経験者枠などを探す → 条件に合う採用試験 → 採用・消防学校
ここが分かれ目:社会人経験、消防経験、救急救命士資格などを対象にした区分を設ける地域もあります。すべての消防本部にある制度ではありません。
回り道からの戻り方:年齢上限、必要経験年数、資格、採用後の扱いを確認します。条件が合わなければ別の消防本部や防災の仕事も比べます。
採用条件は、となりの地域でも違う。「大卒程度」「高卒程度」は試験の区分を表す場合もあります。卒業資格そのものが必要か、年齢、運転免許、視力などを募集要項で一つずつ確認します。
実際の時間の使い方一日のモデル|24時間交替制の当番日
消防本部、担当、二部制・三部制・毎日勤務で変わります。ここでは24時間交替制で消防署に勤務する場合をモデルにします。
| 時間 | すること | 中身 |
|---|---|---|
| 8:30 | 交替・車両と装備の点検 | 前の隊から情報を受け取り、消防車、救急車、空気呼吸器、無線などを確認する。 |
| 9:30 | 訓練・地理や建物の確認 | 放水、救助、救急、運転、指令の訓練や、地域の道・水利を学ぶ。 |
| 12:00 | 食事・休憩 | 隊で交代して食事をとる。通報が入れば途中でも出動する。 |
| 13:00 | 予防・事務・住民対応 | 建物の確認、防火の案内、報告書、訓練準備などを進める。 |
| 17:30 | 夜の備え・体力づくり | 装備を再確認し、食事、清掃、無理のない訓練を交代で行う。 |
| 22:00 | 仮眠・警戒・出動 | 交代で休むが勤務中。通報があればすぐ装備を整えて出動する。 |
| 翌8:30 | 記録・次の隊へ引きつぐ | 出動、装備、地域の情報を記録し、次の当番へ伝える。 |
一週間のモデル|当番・非番・週休日
| 曜日 | すること | 中身 |
|---|---|---|
| 月 | 当番 | 朝から翌朝までの24時間勤務モデル。 |
| 火 | 非番 | 朝に交替した後の勤務しない時間。まず休息をとる。 |
| 水 | 週休日 | 生活を整え、心と体を回復させる。 |
| 木 | 当番 | 点検、訓練、予防、出動を隊で行う。 |
| 金 | 非番 | 夜間出動が多い場合は睡眠を優先する。 |
| 土 | 週休日 | 本部の勤務表に沿って休む。 |
| 日 | 当番 | 災害は曜日を選ばない。土日も交替で守る。 |
一年のモデル|採用から消防署配属へ
| 時期 | すること | 中身 |
|---|---|---|
| 採用直後 | 消防学校へ入校 | 約6か月、服務規律、安全管理、消防・救急の知識、器具の扱い、基礎体力を学ぶ。 |
| 消防学校の後半 | チームで動く訓練 | 合図、復唱、装備、救助、放水などを繰り返し、安全な基本動作を身につける。 |
| 卒業・配属 | 消防署で実務を始める | 先輩と一緒に地域、車両、手順を学び、できる仕事を段階的に増やす。 |
| 配属後 | 出動と訓練をふり返る | 活動記録や訓練から課題を見つけ、隊で改善し、必要な研修へ進む。 |
出動がない時間も、備え続ける仕事。車両と道具の点検、訓練、地図や建物の確認、防火指導、記録、食事と休憩を行います。通報があれば予定を止めて出動します。
いまからできること子どもだけで火、煙、川、倒れた建物に近づいてはいけません。避難場所を調べる、通報で伝えることを練習する、防災マップを作ることから始めます。
- A|小学生の「人を助けたい」1日:学校で学ぶ → よく遊ぶ・休む → 家族と避難口を一つ確認 → 睡眠/1週間:家、学校、よく行く場所の非常口、消火器、AEDを大人と探す。/1年:消防署見学や防災訓練で、消火・救助・救急・予防の違いを聞く。火をつける、煙に入る、危険な場所で救助ごっこをする練習は絶対にしません。まず大人へ知らせ、離れます。
- B|中学生の防災と体づくり1日:授業 → 部活や運動・休息 → 防災を少し学ぶ → 食事・睡眠/1週間:地域のハザードマップを見て、避難場所まで安全な道を家族と歩く。/1年:消防士、救急救命士、消防団、防災担当など、災害を支える役割を比べる。体力は一気につけません。痛みや体調不良を隠さず、成長期の体を守りながら続けます。
- C|高校生の採用情報調べ1日:授業 → 無理のない運動 → 試験や仕事を調べる → 食事・睡眠/1週間:国語、数学、理科、社会を学び、話を短く正確に伝える練習をする。/1年:二つ以上の消防本部で、年齢、学歴区分、試験、身体条件、採用後を比較する。体力だけで決めません。筆記、面接、協力、安全確認、生活リズムも採用後の土台です。
- D|受験を考える人1日:学校・仕事 → 試験準備 → 安全な運動 → 休養・睡眠/1週間:筆記、面接、体力を小さく分け、募集要項と体調を記録する。/1年:受付、試験、合格発表、採用、消防学校の時期を一枚の予定表にする。インターネットの古い基準ではなく、その年度の公式要項を正本にします。けがは医療機関へ相談します。
土台になる力
速さだけでなく、安全確認、命令の復唱、仲間との連携、体調の申告、活動後の休息が命を守ります。「無理を隠さない」ことも消防の力です。
- 安全を観察
- 短く復唱
- 隊で動く
- 道具を点検
- 体を回復
6つの役割、6つの守り方。厚生労働省job tagと総務省消防庁の情報をもとに、消火だけでなく、救助、救急、予防、通信指令、大規模災害の応援まで見ます。
- 火を消し、広がりを防ぐ消防隊・消防署、火災現場防火服と空気呼吸器などを使い、隊の指揮と安全管理のもとで放水、検索、延焼防止を行います。(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/155)
- 事故や災害から人を救い出す救助隊・交通事故、建物、水難、自然災害などロープや救助器具を使う専門訓練を重ねます。希望だけですぐ配属されるとは限りません。(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/155)
- 病気やけがの人を医療へつなぐ救急隊・救急車、家庭、道路、公共施設など状態を観察し、必要な応急処置を行い、医療機関へ安全に搬送します。救急救命士は別の国家資格です。(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/155)
- 火事が起きる前に危険を減らす火災予防・消防本部、建物、地域の事業所消防用設備や防火管理を確認し、住民や事業所へ安全な備えを伝えます。毎日勤務の場合もあります。(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/155)
- 119番から必要な隊へつなぐ通信指令・消防指令センター通報から場所と状況を確かめ、消防・救助・救急の隊を選び、出動後も情報を支えます。(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/155)
- 地域をこえて助け合う大規模災害の応援・地震、豪雨、大規模火災などの被災地緊急消防援助隊などとして、自治体の区域をこえて応援する仕組みがあります。普段の地域任務と全国の連携がつながっています。(https://www.fdma.go.jp/mission/prepare/rescue/)
一つの地域に採用されても、助け合いは地域をこえる。消防士は採用された自治体の地域を基本に働きます。大きな地震、豪雨、火災では、緊急消防援助隊などが都道府県をこえて応援します。海外の消防士は採用・資格制度が違うため、日本での採用や経験がそのまま外国の資格になるわけではありません。
回り道採用試験、けが、希望する配属が予定どおりでなくても、別の消防本部、次年度、予防や防災を支える仕事など、地域の安全に関わる道を引き直せます。
- 希望した消防本部の採用試験に合格しなかった
- 結果をふり返り、条件に合う別の消防本部、次年度、別区分を確認する。試験日と併願規則も要項で確かめる。
- 年齢・学歴・免許の条件が合わなかった
- 消防本部サーチで別地域を調べる。救急、自治体防災、消防設備、防火管理など別の仕事も比べる。
- 体力検査の前にけがをした
- 無理に受験や練習を続けず、医療機関へ相談する。回復を優先し、次の試験日程を調べる。
- 消防学校の訓練で困った
- 痛み、体調、理解できない手順を隠さず教官へ伝える。自己判断で危険な反復をせず、安全な学び方を相談する。
- 救助隊や救急隊にすぐ配属されなかった
- まず今の隊で安全と基本を学び、必要な経験、資格、選考、研修を上司へ確認する。
- 24時間交替制が体に合わなかった
- 健康を優先して管理職や専門窓口へ相談する。予防・本部業務などの配置や、別の防災の仕事を確認する。
よくある質問迷いやすいところを、条件で分ける。
力が強くないと、消防士になれない?
現場に必要な体力はありますが、力だけでは安全に活動できません。状況を見る、指示を聞いて復唱する、道具を正しく使う、仲間と動く、休んで回復する力も必要です。体力検査の内容は消防本部ごとに確認します。
女の人も消防士になれる?
なれます。令和6年4月1日現在、全国で6,124人の女性消防吏員が働いています。仕事と採用条件は性別だけで決まらず、各消防本部の公式案内を確認します。
大学へ行かないとなれない?
大学が必須とは限りません。高校卒業者向けの区分を設ける消防本部もあります。ただし年齢、学歴、試験区分は地域によって違うため、受けたい本部の募集要項を確認します。
目が悪いと受けられない?
視力や色の見分けなどの条件を設ける消防本部がありますが、数値や矯正の扱いは同じではありません。古い情報や他地域の基準で決めず、最新の募集要項を確認します。
救急救命士の資格がないと消防士になれない?
一般の消防士採用で必須とは限りません。一方、救急救命士枠を設ける消防本部もあります。救急救命士として行える救命処置には国家資格が必要です。
泳げないと消防士になれない?
採用試験や配属で必要な内容は消防本部ごとに違います。水難救助には専門訓練が必要です。子どもだけで危険な泳ぎや救助を練習せず、監視員や指導者のいる安全な場所で学びます。
消防士と消防団員は同じ?
違います。消防士は消防本部・消防署で専任職員として働く地方公務員です。消防団員は別の仕事などをしながら地域防災を担う非常勤特別職の地方公務員で、募集と活動は市町村ごとに異なります。
こわいと思ったら、向いていない?
危険をこわいと感じることは、安全確認につながります。大切なのは無理に飛び込まず、訓練、装備、指揮、仲間の確認に従うことです。つらい経験の後に相談し、心を休めることも必要です。
今日の一歩いま、できることを一つだけ
「人を助けたい」に加えて、「災害が起きる前に何ができる?」を考えると、避難、予防、救急、まちづくりへ夢が広がります。
- 家や学校の非常口、消火器、AEDを大人と三つ探す。
- 受けたい消防本部を二つ選び、採用条件の違いを書く。
- 消火・救助・救急・予防・通信指令の違いを一言ずつまとめる。
- 採用試験、消防学校、消防署配属を別の箱で進路図にする。
進路は一本ではありません。ここに書いたのは代表的な道で、地域や年度で条件が変わります。決める前に学校や家族と確かめてください。
出典この道のりを、どこで確かめた。
- 総務省消防庁「消防士になるまでの流れ」総務省消防庁「消防士になるまでの流れ」 地方公務員としての採用、採用試験、消防学校、配属資料 ↗
- 総務省消防庁「消防学校について」総務省消防庁「消防学校について」 約6か月の初任教育、学ぶ知識・技能・安全管理資料 ↗
- 総務省消防庁「令和6年版 消防白書・消防組織」総務省消防庁「令和6年版 消防白書・消防組織」 全国の消防本部、消防署、消防職員数資料 ↗
- 総務省消防庁「消防本部サーチ」総務省消防庁「消防本部サーチ」 都道府県別の消防本部と最新採用予定資料 ↗
- 厚生労働省 job tag「消防官」厚生労働省 job tag「消防官」 仕事内容、交替制勤務、消防の役割資料 ↗
資料の読み方について
消防組織、採用、消防学校、勤務の基本は公式資料を確認しました。一日・一週間・一年と子ども時代は理解するためのモデル例です。採用条件と勤務表は消防本部ごとに異なります。
おうちの方へ
いっしょに読むためのヒント。
車両と道具の点検、訓練、地図や建物の確認、防火指導、記録、食事と休憩を行います。通報があれば予定を止めて出動します。 720本部の数字を一つに足しても、子どもが将来採用される確率にはなりません。募集のない年もあり、併願の扱い、試験区分、採用予定、合格後の辞退なども地域で違います。
この仕事への道は、どれか一つしかないと思う?
次に読む。
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