なぜ?図鑑 乗り物酔い 第5章/全5章
酔い止め、しょうが、ツボ。どれを信じればいい?
食事は「これを食べれば酔わない」ではなく、空腹と食べすぎを避け、食べ慣れた軽いものを少量、水分も少しずつが基本です。しょうがやツボのバンドは、必ず効くといえる根拠が強くありません。
酔い止めは製品ごとに成分、対象年齢、量、飲む時期が異なり、眠気や反対の興奮、ほかの薬との重なりもあるため、保護者が箱と添付文書を読み、医師・薬剤師へ確認します。
読む時間・対象・資料
この章だけで読み切れます(約11分)。前後の章は、右の一覧か記事の下から選べます。
この記事酔い止め、しょうが、ツボ。どれを信じればいい?
まず、ひとつわかろう
いちばん知りたいところから。
食事は「これを食べれば酔わない」ではなく、空腹と食べすぎを避け、食べ慣れた軽いものを少量、水分も少しずつが基本です。
- 01特別な一品より、量・時間・慣れているか。
食べ物を善悪へ分けすぎると、遠足の朝が新しい不安になります。
- 02好きで使うことと、「必ず効く」は分ける。
副作用が少なそうに見える方法でも、効果が証明されたとは限りません。
- 03薬は「名前」より、製品ごとの条件を確認。
乗り物酔いの薬は、症状が始まってからより乗る前に使う方が有効なものがありますが、具体的な時刻と量は製品で異なります。
子どもの年齢と体重
01・食事の基本特別な一品より、量・時間・慣れているか。
食べ物を善悪へ分けすぎると、遠足の朝が新しい不安になります。日常の食事を少し調整します。
空腹を酔い止めにしない
「吐く物がなければ大丈夫」と食べずに出る方法は勧められません。空腹の気分不良もあるため、食べられる状態なら、食べ慣れた軽いものを少量とります。
- 朝食を罰やテストにしない
- 一口でも食べられたら量を調整
- 乗る前から吐き気が強ければ体調判断
食べすぎ・脂っこい大量の食事を避ける
前夜遅くや出発直前の大量の食事は避けます。普段食べない特別な料理、辛すぎる物、脂っこい物を「酔わないため」に無理に試しません。
- 前夜はいつもの時間と量へ
- 朝は本人が食べられる軽さ
- お菓子を朝食代わりに大量にしない
水分は少しずつ
一気に大量を飲むのではなく、乗る前も吐いた後も少量ずつ。脱水を防ぐことは大切ですが、飲めない、飲んでも何度も吐く状態は医療相談が必要です。
- 水筒を取りやすい場所へ
- 炭酸や濃い味を万能にしない
- 尿の少なさやぐったりも見る
02・自然な方法の根拠好きで使うことと、「必ず効く」は分ける。
副作用が少なそうに見える方法でも、効果が証明されたとは限りません。安全対策の代わりにはしません。
しょうがの研究結果は一致していない
CDC Yellow Bookは、特定の食事、サプリ、ビタミン、しょうがなどを支える根拠は弱く、結果が矛盾していると整理しています。好きな味として普段の食品量で使うことと、治療として大量に取ることは別です。
- 遠足当日に初めて試さない
- サプリを子どもだけで選ばない
- 効かなかった本人を責めない
ツボのバンドは、実験で偽物を上回らない結果
実験室の試験では、ツボを押すバンドなどが偽の器具より有効とはいえない結果があります。ただし本人が安心し楽に感じることはあり、危険がなく正しく使えるなら補助として考えます。
- 効く人の体験を全員の答えにしない
- きつく締めて血流を妨げない
- 睡眠・安全な姿勢・申告を土台に
一定の呼吸には研究があるが、万能ではない
一定のゆっくりした呼吸が助けになる研究がありますが、練習と注意が必要で、全員を完全に予防しません。苦しくない普段の呼吸に近い速さで試し、めまいが増えたら止めます。
- 息を長く止めない
- 大きく吸い続けない
- 運転者へ呼吸課題をさせない
03・子どもの薬薬は「名前」より、製品ごとの条件を確認。
乗り物酔いの薬は、症状が始まってからより乗る前に使う方が有効なものがありますが、具体的な時刻と量は製品で異なります。
対象年齢・一回量・飲む時期
同じ「酔い止め」でも成分と対象年齢は同じではありません。大人用を半分にする、兄弟の薬を分ける、前に余った薬を箱なしで使うことはしません。
- 箱と添付文書を保管
- 年齢・体重・製品名を薬剤師へ
- 期限と保管状態も確認
風邪薬やアレルギー薬との重複
酔い止めと、別の酔い止め、風邪薬、せき止め、鼻炎・アレルギー薬などで、作用の似た成分が重なる場合があります。お薬手帳と現物の箱を医師・薬剤師へ見せます。
- 薬の名前だけでなく成分を確認
- 複数製品を自己判断で重ねない
- 持病や治療中の薬も伝える
眠気と、反対の興奮
有効な酔い止めには眠気などの副作用があります。子どもでは反対に落ち着かなくなることもあり、過度に眠らせる使い方は危険です。海外の貼り薬など、子どもへ避ける薬もあります。
- 眠らせる目的で量を増やさない
- 反応がおかしければ大人へすぐ伝える
- 個人輸入や大人の残りを使わない
学校では、誰が確認するかまで決める
遠足へ持たせるだけで終わらず、本人が持つのか先生が預かるのか、いつ誰が表示を確認するか、飲めなかった場合の連絡を学校の決まりに合わせます。
- 薬へ名前を書く
- 一回分の扱いを学校と確認
- 子ども同士で薬を分けない
今日の一歩薬剤師へ見せる「4点セット」
記事を見せるより、子ども本人の情報と実物をそろえる方が安全です。
- 子どもの年齢と体重
- 使いたい酔い止めの箱・添付文書
- 今使っている薬とお薬手帳
- 乗る時刻、過去の症状、副作用の経験
この記事には特定製品の量を書きません。手元の製品と子どもの条件が違うため、箱・添付文書と医師・薬剤師の説明を優先します。
親子で話す家族にも聞いてみたくなったら。
-
薬で何が一番心配?
子ども味、眠気、飲む時刻、先生へ言うこと。
おとな成分、重複、対象年齢、学校の管理。
-
しょうがやバンドを使いたい時は?
子ども安心する理由と、困ったら止める合図を言う。
おとな安全性を確認し、必ず効く約束にはしない。
-
薬を忘れたらどうする?
子ども友だちからもらわず先生へ言う。
おとな学校と連絡方法を先に決める。
よくある質問もう少し気になったら。
薬は乗ってから飲んでも効く?
多くの酔い止めは、症状が始まる前に使う方が効果を得やすいとされます。ただし具体的な時刻は製品で違うため、添付文書と医師・薬剤師の説明を確認します。
「眠くなりにくい」アレルギー薬は酔い止めになる?
新しいタイプの眠気が少ない抗ヒスタミン薬は、脳へ届きにくく作られており、乗り物酔いには有効でないとCDCは説明しています。自己判断で代用しません。
前日に試し飲みした方がいい?
子どもの薬は医師・薬剤師へ相談し、製品の指示に従います。「試す」ために不要な薬を自己判断で飲ませません。過去の副作用や反対の興奮があれば必ず伝えます。
しょうが味のお菓子なら、いくつ食べてもいい?
治療薬ではありません。普段の食品として表示どおりの量にし、お菓子の食べすぎや胃の不快感を増やさないようにします。
学校で友だちの薬をもらってもいい?
いけません。対象年齢、量、持病、ほかの薬が違います。忘れた場合は友だち同士で分けず、先生から保護者へ連絡します。
出典この章を書くために読んだ資料。
- Motion Sickness米国疾病予防管理センター(CDC Yellow Book) 感覚の食い違いという仕組み、症状の進み方、乗り物別の揺れにくい位置、薬の副作用、子どもへ薬を使う際の注意を確認しました。資料 ↗
- Motion Sickness米国疾病予防管理センター(CDC Travelers’ Health) 遠くを見る、目を閉じる、少量の飲食、音楽などの工夫と、子どもの薬は医療者へ相談し正しい量を守る注意を確認しました。資料 ↗
- 一般用医薬品の添付文書例:乗物酔い薬医薬品医療機器総合機構(PMDA) 製品ごとに対象年齢・量・飲む時期が異なること、眠気や薬の重複に注意し、添付文書を読み保護者の管理で使う必要を、具体的な一製品の例で確認しました。資料 ↗
- Car Sickness米国小児科学会(HealthyChildren.org) 子どもが言葉にしにくい早期サイン、安全に止まって休む方法、軽い食事、受診相談が必要な症状を確認しました。資料 ↗
資料の読み方について
公的機関・研究機関・専門団体の資料を優先しました。一般向けの学習記事で、専門家の監修は受けていません。個別の診断や指示ではありません。
おうちの方へ
いっしょに読むためのヒント。
成分、重複、対象年齢、学校の管理。
薬で何が一番心配?
次の一章。
- 1 目・内耳・体の三つの信号耳の奥では、バスのカーブをどう感じているの?約10分
- 2 乗る24時間前からの準備明日のバス遠足、今夜から何を準備すればいい?約9分
- 3 黄色信号から休むまで「ちょっと変」から吐き気まで、何をどの順番ですればいい?約10分
- 4 降りた後の回復と相談乗り物から降りたあと、すぐ遊んだり食べたりしていい?約9分
- 5 食事と酔い止めの安全酔い止め、しょうが、ツボ。どれを信じればいい?約11分